2024年11月21日

はとむぎHatomugi

はとむぎ

「はとむぎ」を通じて人々を健康にする。
Hatomugi

【はとむぎ】

はとむぎは、イネ科のモチモチとしたモチ性の甘みがある穀物で、良質のタンパク質を多く含み、カラダに良い働きをする脂質や、ビタミン、ミネラルなども豊富に含まれています。
また、はとむぎはアミノ酸が精白米に比べて、バランスよく含まれている健康・美容食です。

"はとむぎ"と永く付き合う事でカラダの根本的な中心軸と心と身体の美しさが作られていきます。

はとむぎ

【はとむぎの栄養価】

はとむぎは栄養豊富な穀物でたんぱく質のアミノ酸構成が良く、体内で合成できない必須アミノ酸を含んでいます。
アミノ酸総量は白米の2倍以上あり、葉酸は1.4倍、食物繊維は1.2倍含まれています。
また小麦や米のたんぱく質とは違いアレルギーの原因とはなりにくいとの報告もあります。
はとむぎはお米に比べて糖質は少なく、ミネラル類、ビタミン類などを豊富に含んでいることから「穀物の王様」と呼ばれています。今ではスーパーフードとしても有名な穀物です。

はとむぎは漢方薬として著名な事から昔から研究されており、多くの研究文献が残されています。
また近年の健康ブームによっても見直され、更なる研究により美肌効果、抗アレルギー効果、アトピー性皮膚炎、尋常性白斑などに進展がみられるようになりました。

はとむぎ
はとむぎ

【はとむぎの健康食としての歴史】

中国では約2000年前には種植されたと言われており、中国を始め東南アジアでは非常に古くから食用に栽培されていた事がわかっています。
この頃ははとむぎを炊いたり、お粥や団子にして食べたりしていたようですし、後には産後の回復食として食べられていたようです。
美容効果も知られていたようで、宮廷料理の材料にされていました。

はとむぎの種子を脱穀すると薏苡仁(ヨクイニン)となり漢方薬はヨクイニンの事を指しています。
脱穀前のハトムギは主に焙煎しお茶として利用されています。
日本では健康食品として販売されているのははとむぎであり、漢方薬として販売されているのはヨクイニンで、同じ物なのですが名前が異なるのです。

はとむぎ

【神農本草経】

ヨクイニンは中国医学三大古典の一つである「神農本草経(シンノウホンゾウキョウ)」(後漢の時代:約2000年前)に「上薬」として記載があります。
神農本草経は一年の日数に合わせた365種の薬物が記載されており、上薬、中薬、下薬(上品(ジョウホン)、中品(チュウホン)、下品(ゲホン))に薬効ごとに分類されています。

漢方では薬効のある植物、鉱物、生物を本草と呼び、その効能を記述した本の事を本草書と呼びます。神農本草経の神農とは中国の伝説上の人物で農耕と医学の祖とされています。
その神農さんが編集した本草書ということで神農本草経と呼ばれています。神農本草経は本草書の中でも最古の書物で原書は現存しませんが、後世の本草書は原書の記述を残し、注釈を付ける方法で残されているため原文が残されており中国や日本において度々復元されています。
なかでも日本の江戸時代の学者である森立之によって復元された神農本草経の信頼度が高いとされています。

はとむぎ

【本草綱目】

また中国薬学の大書である「本草綱目」(1596年)にも記載されています。本草綱目はヨーロッパでもよく知られ薬学研究の原典ともいうべき大書です。
1604年には日本に到来しており動植物の形態などの博物誌的既述が優れている点が日本人にも影響を与え、たびたび輸入されるとともに、和刻本も続出し幕末に至るまでの基本書とされていた程重要視されていた文献です。
「本草綱目」でヨクイニンは「脾を健やかにし胃を益す。肺を補い清熱する。風を去り湿に勝つ。」とされており、今日の漢方薬の処方でも消炎、利尿、鎮痛、排膿、強壮薬として利用されています。

はとむぎ

【大和本草】

江戸時代の医師である貝原益軒の「大和本草」にも、はとむぎはニキビによいと紹介されていますし、イボとり効果もよく知られていたようです。
特に子供に多い水イボの民間治療にはヨクイニンの服用が良いとされています。

神農本草経や本草綱目などの古い書物にはヨクイニンは脾の働きを良くする、気を益すなどへの効果が紹介されていますが、美肌効果、イボ取りの効果は書かれていません。
もしかするとイボ取り効果は日本人が見つけた作用なのかもしれません。

ハトムギの効能に利尿作用がある事が知られています。この利尿作用が本草綱目でいうところの「湿に勝つ」という部分になります。
漢方では体内の余分な水分は関節痛などの痛みを増したり、毒素の排泄を妨げる働きがあるとされています。
ハトムギにはその余分な水分の排泄を助け尿の出をよくし、腎臓の働きを助けることで気や血の巡りをよくし、痛みを和らげてくれるのだということです。

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